☆☆☆ 伊勢 03月01日(火) ☆☆☆
赤福 『朔日餅(ついたちもち)』
伊勢市の赤福に『朔日餅』を買いに行ってきました。赤福本店は三重県伊勢市宇治中之切町にあります。
『朔日餅』は1月以外の毎月1日に販売される、その季節独特の和菓子で、赤福の名物になっています。夜の明けぬ前より行列が出来、開店と同時にほぼ売り切れるのが例となっています。20年ほど前から始まったようです。
旧暦で新月の日のことを朔(さく)と言い、この朔(さく)の日のことを各月の1日としていました。これより毎月1日を「朔日」と明記するようになったようです。
おかげ横丁を中心に、AM3:00頃から朝市が開かれています。三重県各地で採れた海産物や農産物や自家製のこんにゃくやお漬物、焼きたてパンなどを売っています。
AM3:30から整理券が配布されてAM4:45より整理券の番号順に販売することになっています。私が赤福に行ったのがAM4:00頃でした。整理券の番号は179番です。
整理券をもらって朝市をみてから車に戻り、AM4:30頃まで待機です。AM4:30過ぎに赤福に戻ってみると、すでに並びだしています。店の人が番号を言って順番に並ばせていきます。行列は赤福の横の橋を渡り200人以上が並んでいるのでしょうか?店の人が手際が良いので20分くらい並んで買うことができました。店内でも『朔日餅』を食べることができますが私は食べませんでした。一皿(2個)で200円です。
10年以上前に一度、『朔日餅』を買いに来たことがありますが、その時は5月(かしわ餅)でもっと長い行列でした。これから暖かくなるといっそうたくさんの人が買い求めにくるのでしょう。
3月の『朔日餅』は「よもぎ餅」で包装紙はお雛様があしらわれています。買った「よもぎ餅」のお品書きに次のように書かれています。
三月、よもぎがもえぎ(芽ばえ)ます。
そこで、よもぎ餅。もともと魔よけ草であり、また早春の萌ぎが女子が母となることを意味した、晴れやかな言葉でした。
「化粧箱」9ヶ入1360円、「大箱」10ヶ入900円、「小箱」6ヶ入540円です。
名古屋や大阪のデパートなどでも予約注文すれば買うことができますが、予約数にも限りがあり「化粧箱」を手に入れたり、できたての餅を味わうためには、 当日赤福本店まで足を運ばなければなりません。 そのため毎月一日の早朝には朔日餅を買う人の長い行列ができます。縁起物ですかね。
3月だと真っ暗ですが、4月頃になると並んで入る時に夜が明けはじめて厳かな雰囲気が味わえることでしょう。
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1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
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8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
赤福(朔日餅) |
(赤福餅) |
立春大吉餅 |
よもぎ餅 |
さくら餅 |
かしわ餅 |
麦て餅 |
竹流し |
八朔粟餅 |
萩の餅 |
栗餅 |
ゑびす餅 |
雪餅 |
すし久(朔日粥) |
新春朝粥 |
朝熊小菜粥 |
めかぶ雑炊 |
筍粥 |
えんどう粥 |
鮎雑炊 |
もち麦粥 |
あなご粥 |
しめじ雑炊 |
十三里粥 |
かき雑炊 |
冬至粥 |
朔日粥
『朔日粥』は、「すし久」というお寿司屋さんでやっています。この日だけAM4:45に開店します。『朔日餅』と同様行列ができるほどです。『朔日餅』でなくて『朔日粥』を楽しみに来ている人もたくさんいるようです。
「すし久」は「てこね寿司」や伊勢芋を使った「麦とろろ」など、伊勢志摩の郷土料理が味わえるお店です。天保年間創業の料理旅館を改装した建物で情緒たっぷりです。毎月晦日(みそか)には2階お座敷にて落語会(みそか寄席)が開催されるそうです。
「朔日粥」は時期のものをお粥の具にしています。3月の『朔日粥』は「めかぶ雑炊」でした。冷えきった体を暖めてくれます。600円とお手頃な値段です。一つ残念なのは、鯵の干物が焼きたてでないこと。多くの人が訪れるのでしょうがないか・・・
「すし久」以外でも「とうふ屋」・「海老丸」・「益屋茶房」で海産物のお雑炊など、「ふくすけ」で伊勢うどん、「はいからさん」でモーニングバイキングなどをしているようです。
二見 『賓日館(ひんじつかん)』
二見という地名の由来は倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神(あまてらすおおみかみ)鎮座の地を探して二見浦を訪れた時、その美しさに二度も振り返ってご覧になったことから二見と名づけられたと言われています。記紀の話しですね。
日本で公認の海水浴場が開設されたのは1882年(明治15年)で、神戸の須磨・三浦半島の葉山・そして二見浦の3ヶ所でした。伊勢神宮の参拝客が二見浦にたくさん宿泊するようになり、そこで日本初の海水浴場に指定されました。海水浴といってもその当時はレジャーではなく、健康を目的とした医療だったようです。夫婦岩近くの海中に体を沈める冷浴と、潮水を沸かした温浴施設があったそうです。旅館街は湯治場のような雰囲気だったのかな?
『賓日館』の前の海が以前は白砂の浜だったようですが、 昭和34年の伊勢湾台風以降に護岸整備が行われて、現在はコンクリートの防波堤が造られて昔の面影はありません。現在の海水浴場は少し北に位置します。私が子供の頃は友達と自転車で行って泳いだものです。あまり綺麗な海水浴場とは言えませんが・・・
『賓日館』は明治20年に伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として日本建築の粋を集めて建てられました。明治44年2月には隣接する二見館(三重県初の政府登録国際観光ホテル)に払い下げられ、二見館の別館として平成11年まで貴人の宿泊所とされてきたそうです。平成15年11月より資料館として開館しています。住所は三重県度会郡二見町大字江になります。
また平成16年3月には県指定有形文化財に登録され、建物だけでなく庭も含め当時の一流建築家による品格のあるデザイン、選び抜かれた材料やそれに応える職人たちの技など、日本の伝統建築をみることができます。
入館時間は9:00 〜 16:30(最終入場)
休館日 : 火曜日(祝日の場合は翌日休)
入館料 :大人300円 子供150円
火曜日が休館日ですが、この日はイベント開催期間ということで、入ることができました。開いていて良かったです。
『賓日館』の中にもたくさんのお雛様が飾られていました。<大正村(岐阜県恵那市)から借用しているものがたくさんありました。
玄関の近くに「真珠雛」が飾られていましたが、ひときわ目だっていました。偶然できた真珠だと思いますが、夫婦雛に見えるから不思議です。伊勢志摩に真珠・・・「真珠雛」合いますね。
おひなさまめぐりin二見
2月4日(金)〜3月3日(木)の期間「おひなさまめぐりin二見」と称して、二見の旅館街を中心とした地域一帯の77ヶ所に雛人形の展示を行なっていました。古い段飾りのお雛様・陶器のお雛様(土雛)・木製の立雛・竹炭による創作雛や子供の手作りの物までいろいろですが、夫婦岩の二見らしいイベントです。
この日は平日で、休みの店も多かったのですが、お雛様は観れるように展示されていて静かな通りも華やいでいました。展示されている場所も旅館からお土産屋さん・花屋さん・食堂・タバコ屋さんと町あげての催しものです。
旅館の女将さん達が企画した今年がはじめてのイベントなのですが、冬場どうしても観光客が訪れることの少ない所なのに、例年になく沢山の観光客が訪れているそうです。この日もお雛様巡りをしている人をたくさん見かけました。来年からもこのイベントは続くことでしょう。
赤福餅と御福餅
『赤福』は伊勢神宮(内宮)の近くに本店があり創業は1707年の老舗です。
『御福餅』は今より200有余年前に宮川の川畔、伊勢参宮街道筋に茶店を開設したのが始まりだそうですが、明治16年4月より二見町で営業しているようです。3軒くらい隣に『赤福』の二見支店があります。
赤福餅の方が全国的に名前が知られているので、「赤福だと思って買ったら、御福だった」という経験がある方もみえるかもしれません。赤福餅と御福餅、包装紙も色合いといい絵柄といい似ています。以前は赤福に似せた商品はもっとたくさんあって淘汰されて、赤福餅と御福餅が残っているので、それぞれ人気はあるのでしょう。
赤福餅のかたちは伊勢神宮の神域を流れる五十鈴川の清流を餡(あん)に、川床の小石をお餅に見立てているそうです。写真は小折箱(8個入)で700円です。御福餅のかたちは二見浦の清き渚に打ち寄せる波を表してそうです。写真は小折箱(8個入)で650円です。赤福餅より少し安くなっています。
餅の見た目は「赤福餅」の方が、きめこまやかで色が濃いです。餡(あん)は「赤福餅」の方が甘く、「御福餅」の方がさっぱりした感じです。中の餅は「御福餅」が柔らかい。
「赤福餅」の甘さがちょっと・・・という人は「御福餅」を試してください。好みで選ばれたら良いように思います。
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